宮沢社会保険労務士事務所株式会社 work and net

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Column

人事リスキリングカレッジ労務編で講師登壇しました

執筆者:宮沢 征史郎

2025.12.11

昨今、「リスキリング」という言葉を耳にする機会が増えています。ぼんやりとどういうものなのかはわかっていても、
「何から始めればいいかわからない」
「目標設定が曖昧で手をつけられない」
と感じる方も多いのではないでしょうか。

私たちは社会保険労務士という立場で企業労務管理に携わる上で、人事部長やCHROといった方々とお話させていただきますが、リスキリング推進に本格的に取り組んでいる企業は決して多くないのが実情です。
また、リモートワークや副業・兼業が一般化している昨今、キャリアの選択肢が多様化しておりますが、社会保険労務士である私たちに直接「リスキリングしたい」と相談されるケースは多くありません。
人事領域でのリスキリングは重要性が高まっているにもかかわらず、学ぶ機会が限られているのが現状だと感じています。

その中、株式会社mog(ママ、お仕事がんばって!)様のご厚意により、同社が運営する「実践型リスキリングプログラム「人事リスキリングカレッジ」の第一期生となる皆様に向け、労務編の講師として登壇させていただく機会をいただきました。今回はこちらについてお話させていただきたいと思います。

リスキリングとは

まず、そもそも「リスキリング」とは何なのかについてご説明させていただきます。
リスキリングとは、技術革新や業務変化に対応するために、今の仕事とは異なる新しいスキルや知識を習得し、キャリアの再構築や役割転換を行うことを指します。

端的に申しますと「今後必要になるスキルを学び直し、新たな仕事ができるようになること」です。
近年はAIの活用をはじめ、DX(デジタルトランスフォーメーション)や働き方の多様化などにより、企業も個人にとっても新しい仕事の仕方が求められるようになっています。これにより、単なるスキルアップや研修ではない、「職務転換を目的とした学び直し」としてリスキリングが注目されています。

「人事リスキリングカレッジ」とは

株式会社mog(ママ、お仕事がんばって!)様が運営する「人事リスキリングカレッジ」は、
“人事を学んで、未来を変える。挑戦するワーキングマザーのための3カ月間”
をコンセプトとしたオンライン講座です。

プログラムの特徴

  • 採用、人事労務、人事制度、研修などを体系的に学べる
  • 基礎だけでなく実務も学べる
  • 人事パーソンとして必要な思考・判断力を身につけ、キャリアアップにつながるスキルを獲得できる

上記のように、プログラムは座学だけではなく、キャリアを前に進めるための行動も促すような内容となっており、非常に中身の濃い講座となっていました。

労務編ではワークショップ形式の実践講義を担当

1. 採用内定時の労働条件通知書の作成

事前課題として受講生の皆様に作成いただいた労働条件通知書をもとに、

  • 数名のチームを組み、チーム内で疑問点の共有
  • 労働基準法・労働契約法に基づき「なぜそうなっているか」の考察やブラッシュアップ
  • 講師への質疑応答

といったことを行いました。

直近の法改正により記載項目が増えたこともあり、私自身も通知書の受け取り側にどう伝わるかを考え直す良い機会となりました。

2. メンタル不調が懸念される社員対応のケーススタディ

体調不良を理由に休みがちになっているメンバーについて、面談依頼が営業部部長から入り、どのような点に留意して問題解決に向かって進めてゆくか、を考察しました。

こちらに関しては明確な答えがなく状況判断が重要なテーマでしたが、受講生の意見の質が非常に高く、私自身にとっても参考となる充実した議論となりました。

特にコロナ禍以降、メンタル不調に伴う私傷病での「傷病手当金申請」が急増しており、弊所でも申請書の作成や提出代行をさせていただいております。実際の対応には経験と慎重さが求められるため、こうした実務のもと、どのように状況判断して問題解決へ導くかを深堀りさせていただきました。

今回の講座を通じて感じたこと

ワーキングマザーのみなさまは、キャリアを続けながらも新しいスキルを獲得するという高い意欲を持っています。その中で、「人事労務の知識はどの企業でも通用し、再現性が高い」特性を備えており、リスキリング領域として非常に適していると感じました。

また、座学+実務でのワーク形式で学ぶことで、自身のキャリアに活かせる気づきを得られる点も、本講座の大きな魅力だと思います。

まとめ

今回の講座では、ワーキングマザーの皆様が前向きにキャリアを切り開こうとする姿勢に強く刺激を受けました。

企業としても個人としても、リスキリングは未来の選択肢を増やすための投資となり、その中でも人事・労務の知識はどの業界でも求められるため、今後ますます重要になると感じています。
本記事が、リスキリングを検討されている方の後押しになれば幸いです。

また、弊事務所ではリスキリングをはじめ、各種人事・労務に関するセミナー講師も承っております。ご興味のある方はお気軽にお問い合わせください。

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